建具職人って、一般の方にはあまり存在を知られていない存在だと思います。
建具は大工さんが作って、大工さんがはめていると思われがちですが、実は建具屋さんは大工さんよりもさらにきめ細かい仕事を必要とされる専門職です。
1mm以下、コンマ何ミリの調整が狂えば、スムーズに戸を開け閉めできない、何らかのストレスがある、といった不具合が出ます。
特に木製建具になると歪みや反り、季節による伸縮などでより高度な調整がに必要になってきます。
このように、皆さんが普段何気なく使うドア、窓、引き戸のスムーズな開閉を裏で支えるのが我々建具屋の仕事なんです。
難しい現場はたくさんあり、技術も集中力も必要ですが、そのぶんやりがいのある仕事だと思っています。いい建具を作らせてもらった時は誇らしい気持ちになるし、建具が重くて困っていた人に「軽くなった」と喜んでもらえたりすると、やっぱり嬉しいですね。
我々がつくっている木製建具というのは、まず自由にデザインができるというのが特長です。それは設計士さんからの依頼もあるし、うちから提案する場合もありますが、既製品ではないのでルールは無いし、遊び心を入れたりできる時もあります。
古民家の仕事もよくありますが、古民家の印象を決めるのは凝った格子戸であったり、障子であったりするものです。
建具は皆さんが普段あまり意識しない、けれど実は生活に深く関わってくるものなんです。
そんな木製建具の製作は職人の技術によって支えられています。
一人前の職人になるには、まず道具の使い方を覚えて、先輩方の仕事を見ながら毎日勉強して…というところからスタートします。
言われたことをやるだけではなく、たとえば自分で不要な建具を持って帰ってそれで練習する、そういう努力をする人は成長が早いです。
ただうちはベテランの職人さんたちがいますので、若手もみんなで教えながら育てようという社風です。
業界全体が需要に対して職人不足なので若手が欲しいですし、若者が就く職業としても一生安泰の仕事なので(笑)、ぜひ職人を育てて、たくさんの方々の要望に応えていきたいですね。